消滅時効の援用

エム・テー・ケー債権管理回収に対する消滅時効の援用

エム・テー・ケー債権管理回収とは

司法書士 松谷

エム・テー・ケー債権管理回収株式会社(MTKサービサー)は、法務大臣の許可を受けて債権の管理・回収を行う債権回収会社(サービサー)です。公式サイトの会社概要によると、2001年(平成13年)10月31日に営業許可を受けており、法務大臣許可第59号です。

同社は、特定金銭債権の買取りや、債権の調査・管理・回収を業務としています。したがって、エム・テー・ケー債権管理回収という会社名に直接心当たりがなくても、過去に利用していた貸金業者などの債権を譲り受けて請求していることがあります。

エム・テー・ケー債権管理回収株式会社 会社概要(公式サイト)

CFJの古い債権について請求を受ける例があります

当事務所で確認した資料では、CFJ合同会社に関係する非常に古い貸金債権について、エム・テー・ケー債権管理回収から請求を受けている事例があります。CFJ合同会社は、ディックファイナンス、アイク、ユニマットライフの3社が合併した会社です。

今回確認した2件はいずれも2000年代前半の契約です。1件では、エム・テー・ケー債権管理回収から「貴殿債務残高確認書」と「減額和解提案通知」が送られていました。もう1件では、平成15年のCFJとの契約について、令和7年2月に裁判所へ支払督促が申し立てられていました。

かなり昔の借入れについて突然請求が届いた場合でも、会社名に心当たりがないという理由だけで放置するのではなく、まず、元の債権者、契約日、最後に支払った時期、過去の裁判手続の有無を確認することが重要です。

「貴殿債務残高確認書」「減額和解提案通知」が届いた事例

相手先会社名 エム・テー・ケー債権管理回収株式会社
送られてきた文書 「貴殿債務残高確認書」
「減額和解提案通知」
書面上の原債権者 CFJ合同会社
譲渡会社 合同会社エムシースリー
契約日 2001年(平成13年)7月23日
エム・テー・ケーの譲受日 2012年(平成24年)8月1日
書面記載の次回支払日 2005年(平成17年)3月25日

令和3年12月に送られた「貴殿債務残高確認書」には、原債権者としてCFJ合同会社、譲渡会社として合同会社エムシースリーが記載され、契約日は2001年7月23日、エム・テー・ケー債権管理回収の譲受日は2012年8月1日とされていました。

同封されていた「減額和解提案通知」では、一括弁済なら利息・損害金を全額免除、分割弁済なら利息・損害金の50%を免除するという提案がされていました。

このような減額提案を見ると、「元金だけなら払ってしまおう」「分割なら払えるかもしれない」と考える方もおられると思います。しかし、書面に記載された支払時期から長期間が経過している場合には、減額和解に応じる前に、消滅時効が成立していないかを確認することが重要です。

減額和解に応じる前に消滅時効を確認してください

貸金債権について、最後の返済や期限の利益喪失から5年以上が経過している場合には、消滅時効が成立している可能性があります。

ただし、途中で訴訟、支払督促、強制執行などの手続きがあると、進行した時効期間がリセットされ、さらに時効期間が10年に延びることになります。

また、電話で「今は払えない」「分割なら払う」「少し待ってほしい」などと返済を前提とする話をしたり、少額でも支払いをしたりすると、債務を承認したと評価され、やはり時効期間がリセットされます。古い債権の請求が届いたときは、支払いや和解の話をする前に消滅時効が成立していないかを確認することをおすすめします。

平成15年のCFJ契約について令和7年に支払督促が出された事例

申立人 エム・テー・ケー債権管理回収株式会社
裁判所 姫路簡易裁判所
支払督促の日付 2025年(令和7年)2月25日
元の契約先 CFJ株式会社
契約日 2003年(平成15年)8月10日
書面上の最後の支払日 2005年(平成17年)6月25日
期限の利益喪失日 2005年(平成17年)4月29日
支払督促で請求された残額 344,038円
+残元金151,014円に対する遅延損害金等

この支払督促では、平成15年8月10日にCFJ株式会社との間で締結した金銭消費貸借契約について請求がされていました。申立書には、最後に支払った日は平成17年6月25日と記載されています。

債権譲渡の経緯については、平成21年6月19日にCFJ合同会社からエム・テー・ケー債権管理回収へ譲渡され、同日、合同会社エムシースリーへ譲渡、その後、平成24年8月1日に合同会社エムシースリーからエム・テー・ケー債権管理回収へ再度譲渡されたと記載されています。

そして、令和7年2月25日付で簡易裁判所から支払督促が発付されています。つまり、申立書上の最後の支払日から約20年が経過した債権についても、支払督促という裁判手続が利用される場合があることが分かります。

もちろん、古い債権だから必ず消滅時効が成立しているとは限りません。途中に時効の更新・完成猶予事由や債務承認などがなかったかを確認する必要があります。しかし、裁判所から支払督促が届いたというだけで、「時効ではないことが裁判所に認められた」と考える必要もありません。

支払督促が届いた後でも、消滅時効の援用は可能です

簡易裁判所から支払督促が送られてきた後であっても、時効期間が経過した後であれば、督促異議の申立をして通常訴訟に移行させたうえで消滅時効を援用すれば問題はありません。支払督促によって時効期間がリセットされることになるのは、時効期間が経過する前に支払督促が起こされた場合です。

時効期間が経過する前の支払督促であっても、対応しないと仮執行宣言が付されて差押等の強制失効に進む可能性がありますので、そうならないように督促異議の申立をしたり答弁書を提出して対処する必要はありますが、債権者に反論の材料がなく消滅時効が成立している場合には通常、消滅時効援用通知を送ることにより、支払督促や裁判は取り下げられます。

まとめ|エム・テー・ケー債権管理回収から請求が届いたら

エム・テー・ケー債権管理回収から「貴殿債務残高確認書」「減額和解提案通知」などが届いた場合には、反射的に電話を掛けたりしないようにしてください。電話で話した内容を録音され、時効援用の権利を喪失してしまうことがあります。

実際に、当事務所にご相談いただく直前に債権者に連絡をして、「今は払えない」「来月の給料日以降なら払える」というようなお話をしてしまっているため、消滅時効援用を諦めたケースがあります。

消滅時効が成立している可能性がありそうなら、債権者に電話を掛けたり交渉をする前に、まずは司法書士にご連絡をいただければと思います。

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当事務所では、代理人として、数多くの時効援用の実績があります。下記の会社は、時効援用の実績の特に多い会社です。

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