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弁護士と司法書士の違い

弁護士と司法書士の違い

司法書士松谷の写真

「弁護士さんに債務整理を頼むのと、司法書士さんに債務整理を頼むのとでは、どう違うんですか?」というご質問を受けることがあります。このページでは、弁護士と司法書士で債務整理の手続きにどのように違いがあるのかについて、各手続きごとに説明させていただきたいと思います。

自己破産・個人再生の場合

司法書士は、司法書士法第3条1号4号にもとづいて、「書類作成代理人」として自己破産・個人再生申立書を作成します。これに対して、弁護士は本人の「代理人」として自己破産・個人再生申立をするという違いがあります。

しかし、司法書士は書類作成代理だから書類の作成以外はしないかというと、そういうことはありません。書類の準備から裁判所に破産申立書を提出して免責決定を受け取るまで、最後までサポートを行います。

自己破産や個人再生の申し立てをすると、裁判所で裁判官との面談が行われる場合があります。この面談のことを、「審尋」と言います。審尋は、必ず行われるわけではなく、裁判官が必要であると判断した場合にのみ行われます。

司法書士は、この審尋には同席できません。弁護士は、代理人として同席することになります。この点が、自己破産に関して弁護士と司法書士とで、違う点です。


チェックポイント

弁護士と司法書士で違いがあるとすれば、例えば大規模な法人の破産のような案件の場合です。このような場合には、本人の代理人として動ける弁護士の方が適しているでしょう。また、個人事業主の破産の場合でも、事業の規模によっては弁護士の方が適している場合もあります。
たとえば、法人・大規模な個人事業者の破産手続きの場合には、会社の従業員との雇用関係への対応が必要となったり、事業の取引先との契約関係の解消が必要となったりします。このような問題については、代理人が対応する方がスムーズに事が進みます。このような点で、弁護士の方が適していると思います。
※東京地裁では、個人の破産の場合であっても、事実上、本人申し立てによる自己破産は困難(司法書士による書類作成も同様)で、弁護士申し立てを強制するような運用がされているようです。これは全国で東京地裁だけの問題であり、他の裁判所では弁護士代理を強制されるようなことはありません。

任意整理の場合

最高裁平成28年6月27日判決により、司法書士は、債権額が140万円以下の場合に限り、任意整理の手続きができることになりました。

また、上記判例に基づいて、140万円の判定は「個別の債権ごとの価額」を基準に計算します。複数の会社からの複数の債権について任意整理をする場合、債務総額が140万円を超えていても、「個別の債権ごとの価額」が140万円を超えていなければ、司法書士が代理人として手続きすることが可能です。

たとえば、A社からのカードローン100万円とB社からのカードローン100万円であれば、債務総額は200万円ですが、個別の債権の価額は140万円以下ですので、司法書士が代理人として任意整理の手続きができます。

また、A社に対する種類の違う債務が二口あるという場合(たとえば、銀行保証分とカードローン分の二口あるという場合)についても、それぞれの債権額が140万円以下であれば、両方とも代理できるということになります。

まとめ

弁護士と司法書士で、下記のような違いがあります。現在の状況に応じて、ご依頼先をご検討ください。

司法書士 弁護士
自己破産 書類作成代理人 代理人
個人再生 書類作成代理人 代理人
任意整理 代理人
(債権額140万円以内に限る)
代理人
(金額制限なし)

なぜ司法書士が債務整理業務を行えるのか

平成14年の司法書士法改正によって、司法書士に示談交渉権や簡易裁判所代理権が認められました。
所定の研修を修了し、法務大臣による認定を受けた司法書士は、当事者に代わって相手方と和解交渉をすることや、簡易裁判所における裁判上の代理人になることができるようになりました。この改正によって、司法書士は任意整理の手続きができるようになったのです。
また、司法書士は、司法書士法が改正される以前から、裁判所に提出する書類の作成代理を業務として行うことができますので、自己破産申立書や個人再生申立書を作成することはできたのです。したがって、司法書士は、従来から書類作成代理業務として行ってきた自己破産、個人再生に加えて、改正により可能となった任意整理業務もできるようになり、ほとんどの債務整理関連業務ができるようになりました。

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